2026年8月
家計・節約のこと株主優待につられて買った株が、いまも塩漬けです|損切りできないまま、何年も
証券口座を、あまり開かないようにしています。
開けば、同じところに同じ赤い数字が座っているからです。何年も動いていません。私が買った、たったひとつの個別株です。
いま買い増しているのは、投信の積立だけです。毎月自動で引き落として、あとはほとんど見ていません。金や、細々と持っている株もありますが、そちらも増やしてはいません。
なぜそこに落ち着いたのか。理由は、その赤い数字にあります。
優待につられて買いました
これは7年ほど前、新型コロナが流行するより前の話です。
きっかけは株主優待でした。
当時、なぜかその銘柄をすすめる情報を、あちこちで見かけました。優待の内容が良い、これから伸びる、と。
私は投資の勉強をきちんとしたわけではありません。ただ、聞いているうちに良さそうだと思ってしまいました。
優待がもらえる最低ラインを調べたら、500株でした。その分だけ買いました。私にとっては、けっこうな金額です。
それでもそのときは、自分でもいい買い物をしたつもりでいました。
優待は、一度だけ届きました
しばらくして、優待が届きました。
カタログギフトでした。その会社が作っている食べ物が並んでいて、そのなかから好きなものを選べます。何にしようかと、しばらく眺めていました。あの選ぶ時間が、楽しかったのを覚えています。
私が選んだのは、アイスでした。
たいした金額のものではありません。それでも、自分の持っている株から何かが送られてくるというのは、思っていたより嬉しいものでした。
嬉しかったのは、そのときだけです。
急落、そして優待の廃止
株価が下がり始めました。
あとから知ったことですが、その前から会社の業績は落ちていました。そこへ新型コロナが来て、さらに悪くなりました。
みるみるうちに、という言い方がぴったりでした。私は見ているだけで、何もできませんでした。
そして優待そのものが廃止になりました。私が買った理由が、なくなってしまったわけです。
株価は、買ったときの半分以下になりました。
流れが早すぎて、損切りができませんでした。正確に言うと、下がっている最中は「そのうち戻るのでは」と思っていました。戻らないと分かったときには、もう半分になっていました。
いいものを作っていても
その会社は、食べ物の会社でした。
まじめに、いいものを作ろうとしているのが伝わってくる会社で、私には応援したい気持ちもありました。届いたアイスも、おいしかったのです。
それでも、いいものを作っているだけでは、商売としては成り立たない。そういうことなのだと思います。
ここが、株をやっていると矛盾するところでした。応援したくて持っているのに、私が見ているのは株価の数字です。おいしいものを作っていても、数字が下がれば、失敗した投資ということになってしまう。
この気持ちは、いまでも整理がついていません。
あとから気づいたこと
落ち着いてから考えると、私はいくつも見落としていました。
企業の分析をしていませんでした。決算も、その会社が実際に何で稼いでいるのかも、ちゃんと見ていませんでした。優待の内容だけを見て買っていました。
そして、すすめられるままに買っていました。
気になっているのは、当時さかんにすすめていた人たちのことです。あの人たちは、きちんと売っていました。私が下落を見ているだけだった頃には、もういなかったのだと思います。
何か知っていたのでしょうか。それとも、ただ私が遅かっただけでしょうか。いまでも分かりません。
私はいわゆるイナゴに乗ってしまったのだろうか、と思うことがあります。
いまも持っています
その株は、いまも持ったままです。
売っていない理由は単純で、損失を確定させるのが怖いからです。半分になった金額を思うと、売るに売れませんでした。
500株をまとめて買ってくれる人がいるだろうか、とも思います。いっそ成り行きで売ってしまえばいいのに、その注文が出せません。
証券口座を開くと、赤字の数字が目に入ります。そのたびにため息が出ます。だから最近は、あまり開かないようにしています。精神衛生上、見ないほうがいいと思っています。
仕事では、見たくない数値でも見なかったことにはできません。異常値は異常値として、そのまま報告します。それができるのに、自分の口座からはこうして目をそらしている。
売らなければとは思っています。思ってはいるのですが、そのまま何年も経ってしまいました。
それで、いまは投信の積立です
この経験のあと、個別株を買い足すのはやめました。
自分には向いていないと分かったからです。値動きを見て判断するということが、私にはできませんでした。
いまは投信を積み立てて、あとは放っています。見ないで済むというのが、私にとっては何より大事でした。
以前、株安のニュースにつられて口座を開いたら、画面が真っ赤だった話を書きました。あのときも結局、私は何も売れませんでした。私はそういう人間なのだと思います。
損はしましたが、これが分かっただけでも勉強代としては安かったのかもしれません。そう思うことにしています。
※この記事は私の個人的な体験談で、特定の投資や銘柄をすすめるものではありません。投資はご自身の判断で。

おひとりさま検査技師
臨床検査技師として病院に30年。生理検査全般を担当、とくに超音波検査(おもに心エコー)。地方在住・50代・おひとりさま。 検査室から見えることと、暮らしのことを書いています。詳しいプロフィール


